魔法少女

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魔法少女(まほうしょうじょ)は、日本の漫画アニメなどに登場するキャラクター類型のひとつで、魔法を使える少女である。具体的に例を挙げれば、『魔法使いサリー』の主人公夢野サリーや、『ひみつのアッコちゃん』の主人公加賀美あつ子などが魔法少女の代表である。魔女っ子(まじょっこ)とも。

概要[編集]

魔女である少女が典型的な魔法少女である。しかし天使妖精超能力者、その他の魔法に似た超自然的能力が使える少女も、広義の魔法少女に含まれる。そのような広義の魔法少女は、初期の作品にもみられる。大半の魔法少女を主人公とした作品では、「魔女」や「魔法」という言葉に、強いネガティブなイメージは含まれない。そして主人公の魔法も、善良かつ利他的な目的に使われる場合がほとんどである。

魔法少女のタイプとして、異世界からやってきた先天的に魔法の能力を持っている少女の場合と、異世界の存在から後天的に魔法の能力を授かった普通の少女の場合がある。多くの魔法少女を主人公とした作品では、主人公の魔法能力は俗世の人間には秘密であり、主人公には付き添い(パートナー)の魔法の生物(使い魔)が与えられる。

考察[編集]

多くの魔法少女作品の想定する主要な視聴者は、幼年期の女児である。そして主人公である魔法少女は、幼年期の女児に対する思春期の少女へのロールモデルの側面を備えている。主人公は戦闘力よりも、献身や博愛精神といった女性的な面で評価される。魔法少女作品の主人公の多くは、彼女自身が魔法の世界の王女であるか、魔法の世界の女王王妃などが後見人として与えられている。

少女漫画を原作に持つ(或いはメディアミックスでコミカライズしている)作品が殆どである為、結婚恋愛に大きな価値観が置かれている作品が多く見受けられ、主人公より若干年上の、女性にとって理想的な容姿や性格を備えた男性が、庇護者あるいは憧れの対象として登場する。その意味では現代の魔法少女作品の多くは、『シンデレラ』や『鉢かつぎ姫』等の、古典的な姫君婚姻譚の流れを汲んでいるとも言える。

上のような、魔法少女作品内に存在するシンデレラコンプレックス男女別遊思想に対しては、フェミニズムの立場から批判が与えられている。また、最近の魔法少女作品や周辺作品では、古典的な男女観の枠を外れた設定やエピソードを備えた作品も、その数を増やしつつある。

ひとつの見方として、少女向けアニメは「良い子作品」と「悪い子作品」に分けられるという見方もある。主人公が父親にとって飽く迄良い子か、そういった物に立ち向かう悪い子であるかという点であるが、実質的に「父親=社会的規範」を指すものであり、「悪い子」作品の主人公は自立しているとも言える。「良い子作品」は昭和の東映魔女っ子アニメを含む魔法少女アニメに顕著であり、「悪い子作品」は『セーラームーン』以降の美少女戦士作品の殆どが挙げられる。

魔法少女ジャンルの歴史[編集]

1960~70年代[編集]

日本の魔法少女物は、横山光輝原作で、東映動画によりアニメ化された『魔法使いサリー』(1966年)がジャンル第一作であるとされている。『サリー』の原作は、アメリカシチュエーション・コメディ奥さまは魔女』(1964年)の影響下に執筆された。『サリー』では、人間の世界にやってきた大魔王の娘サリーを取り巻く人間模様と、サリーの魔法による人助けが描かれる。サリーに続いて東映動画でアニメ化された赤塚不二夫原作の『ひみつのアッコちゃん』(漫画1962年、アニメ1969年)では、鏡の精から魔法のコンパクトを授かった人間の少女・鏡アツ子(後の作品では加賀美あつ子)が登場する。ここに、『サリー』の「異世界からの訪問者」という設定に対し、『アッコ』の「魔法の力を授かった人間の少女」という設定が示され、魔法少女の二大主流ジャンルの原型が確立された。

1974年の『魔女っ子メグちゃん』の主人公として登場したお転婆でコケティッシュなメグのキャラクターは、『サリー』の優等生的な魔法少女像を払拭し、これ以降の魔法少女物では、やんちゃな主人公が幅を利かせることになる。また、クールなライバルヒロインのノンや、滑稽な調査官チョーサン、闇の女王サターンは、後の魔法少女物のサブキャラクター像に大きな影響を与えている。

1980年代[編集]

1980年代に入ると、葦プロダクション制作の『魔法のプリンセスミンキーモモ』(1982年)と、スタジオぴえろ制作の『魔法の天使クリィミーマミ』(1983年)から始まるアイドル魔法少女シリーズが、第二期魔法少女ブームを引き起こす。『モモ』では、魔法の国フェナリナーサのプリンセスである少女モモの人間界での活躍が、『マミ』では、魔法のステッキでアイドルに変身する人間の少女森沢優を取り巻く事件が、それぞれコミカルなタッチで描かれる。この両作品は本来の視聴対象である低年齢の女児のみにとどまらず、十代後半から二十代に至る男性層の間でも人気を博し、「魔法少女」ジャンルのファン対象を大きく広げる事になった。その背景要因として、社会的なアイドルブームがある。

1980年代末から1990年代初めにかけては、『ひみつのアッコちゃん』(第2作、1988年)、『魔法使いサリー』(第2作、1989年)など過去の人気作品のリメイクが行われたが、いずれも第1作を凌ぐほどの人気は得られなかった(ただし、リメイクではなく続編として作られたミンキーモモの2作目「魔法のプリンセス ミンキーモモ 夢を抱きしめて」に関しては、現実の社会情勢の変化の方が進んでしまい、モモやマミのような「少女が魔法で大人に変身する魔法」の意義が薄れてしまったという点もある、その後同種作品で成功したのは薄命という設定で魔法を使う意味を持たせた『満月をさがして』くらいである)。その中で劇場向けアニメである『魔女の宅急便』(1989年)が大ヒットを飛ばしたことが特筆される。

1990年代[編集]

武内直子の原作により、東映動画で制作された『美少女戦士セーラームーン』(1992年)の成功は、アニメ版『赤ずきんチャチャ』(1994年)、『魔法騎士レイアース』(1994年)、『愛天使伝説ウェディングピーチ』(1995年)、『ナースエンジェルりりかSOS』(1995年)等の、多数のバリエーションを生み出し、美少女戦士物は新たな魔法少女物の一ジャンルとなった。『セーラームーン』では、前世の宿縁により結ばれた月野うさぎら5人のセーラー戦士たちと、ダークキングダムを初めとする悪の勢力との戦いが描かれる。魔法少女+戦隊モノ+恋愛という、斬新さが本来の視聴者たる少女たちはもとより、多くのファンを魅了したのだろう。

1995年には、OVAシリーズ『天地無用!』のスピンオフ作品『魔法少女プリティサミー』が制作された。このアニメは明確に女児以外の視聴対象をターゲットに据えた魔法少女物のパロディであり、同種の高年齢視聴者向けの魔法少女アニメの先駆けとなった。

2000年以降[編集]

一人前の魔女を目指して修行に励む春風どれみら魔女見習いの少女たちが活躍する『おジャ魔女どれみ』(1999年)シリーズは、2000年代以降の魔法少女ジャンルの代表作である。『どれみ』は、主人公による人助けという点で『サリー』に代表される日常魔法少女系の流れを、複数の主人公格のキャラクターの登場および魔法を行使するために変身(魔女見習い服へのお着替え)を要するという点で『セーラームーン』に代表される美少女戦士系の流れを、共に継承している。この流れの原型は『魔法使いTai!』(1996年)などが挙げられる。

『おジャ魔女どれみ』以後も魔法少女をテーマにした作品は作られており、日常魔法少女系では安野モヨコが『シュガシュガルーン』(2003年)を執筆、この形態を扱った少女漫画としては久しぶりの作品となり、2005年にはアニメ化された。美少女戦士系では「魔法少女格闘物」という新たな形態を産み出した『ふたりはプリキュア』(2004年)シリーズや、元々はアダルトゲームの外伝シナリオだったものをストーリーや設定を大幅に改変し一般向けアニメにした『魔法少女リリカルなのは』(2004年)シリーズなど、新たな展開も見られた。さらに『魔法少女隊アルス』(2004年)『ふしぎ星の☆ふたご姫』(2005年)などの異世界を舞台にした作品も久方振りに作られており、現在でも魔法少女というジャンルの人気の根強さを印象づけている。

日本以外[編集]

一般に魔法少女物は日本独自のジャンルとされているが、アニメの魔法少女物は吹き替えや字幕付で輸出され、世界各地で放送されている。アメリカのアニメシリーズ『パワーパフガールズ』(1998年)は、日本の魔法少女ジャンル、特に『セーラームーン』に影響を受けた作品であることは製作者クレイグ・マクラッケンが認めている要出典(ただし、この作品自体は魔法少女作品ではなく、スーパーヒーロー作品として受け止められている)。この作品では、ユートニウム博士の実験から生まれた怪力と超能力を持つ三人の幼稚園児の少女が登場する。

欧米では、『セーラームーン』に代表される美少女戦士系ジャンルが魔法少女物の典型・事実標準であると受け止められており、magical girl (mahō shōjo) を主にこのジャンルを指すのに使うアニメファンも少なくない。

特に北米では、2006年現在、東映・葦プロ・ぴえろなどの古典的魔法少女アニメがほとんどまったく公開されておらず、これら本来の魔法少女については存在自体があまり知られていない為、上記のような(日本から見れば)ややずれた理解もやむを得ない。魔法のステージファンシーララなどごくわずかの比較的マイナーな作品が、例外的に深夜に有料テレビで放送されたりDVD発売 [1] されたものの、歴史的にも重要な『魔法のプリンセスミンキーモモ』さえ正式に紹介されるには至っていないし、上記のDVDも商業的には成功しなかった。[2]

他方、イタリアなどヨーロッパの一部では、葦プロ・ぴえろなどの魔法少女物が、多少の改変はあったものの、代表的なものはすべて吹き替え放映されている。そのため、これらの国のアニメファンは本来の魔法少女をよく知っていて作品の愛好者も多く、mahō shōjo ないし majokko という語を日本語とほぼ同じ意味で使う。

魔法少女ジャンルの影響を受けた海外作品としては、イタリアのアニメーション製作会社 Rainbow S.r.l. による『Winx Club』(日本未放映)や、フランスでアニメ化されたイタリアのエリサベッタ・ニョネの漫画『ウィッチ -W.I.T.C.H.-』(日本では飯田晴子が漫画化、アニメはトゥーンディズニーのJETIXで放送中)が挙げられる。これらの作品では、魔法の力を授かったティーンエイジャーの少女たちと悪の勢力との戦いが描かれる。

2000年代には、アメリカ合衆国で1962年からアーチー・コミックスにより出版されている、魔法使いと人間のハーフの少女サブリナの生活を描いたアメリカン・コミックSabrina, the Teenage Witch』シリーズが、メキシコ系アメリカ人の漫画家タニア・デル・リオにより、日本の漫画風のスタイルでリメイクされた。

魔法少女のお約束[編集]

魔法少女には、以下のような設定(お約束)が与えられる。

  • 主人公は人間世界(現世)では魔法の秘密を守らなければならない。バックグラウンドの異世界ではその限りではない。
  • 主人公には一体~三体の、お目付け役の守護妖精や動物が与えられる。
  • 主人公が魔法を使用する際に魔法の呪文とアイテムが必要であり、その際に特定の服装(正装)へのコスチュームチェンジを行う場合もある。
  • 主人公の魔法のバックグラウンドとなる、魔法の世界(異世界)が存在する。
  • 主人公の戦闘は魔力によって行われる、格闘は殆ど行われないがアイテムによる剣術などは稀に使われる。

ただし、すべての作品がこの条件すべてを備えるわけではない。とくに初期の作品では、守護妖精や動物、戦闘などのモチーフが登場しないことも多い。また、能力発揮のため変身するのは、おおむね『ミンキーモモ』(1982年)以降であるが、モモとその系譜の魔法少女の変身自体は『ひみつのアッコちゃん』の延長線上にある特定の姿を持たないものであり、その先にある(現在の主流の)特定のコスチュームへの変化は、おおむね『セーラームーン』(漫画版1991年)以降である(注: アニメに限定した場合、厳密には『セーラームーン』(1992年3月)より『花の魔法使いマリーベル』(1992年2月)の方がわずかに早い)

魔法少女とその登場作品[編集]

魔法少女を主人公とした作品は、概ね以下の系統に分類される。しかし、一つの作品が幾つものジャンルの要素を兼ね備えていたり、物語の途中でジャンルが変化する例も少なくない。

日常系[編集]

『魔法使いサリー』に代表される、日常的世界に置かれた、魔法の能力を持つ主人公の引き起こす事件を描いた魔法少女物。『セーラームーン』の登場までは、日本の魔法少女物のデファクト・スタンダードであった。ファンタジーとしては、エブリデイ・マジックの系統に属する。

主人公は異世界から魔法の力を与えられた人間であるか、異世界からの闖入者であるかのどちらかである。人間であるか異世界からの闖入者であるかに関わらず、主人公は概ね特定の場所に定住し、特定の家族・友人と生活しているが、主人公が放浪者であるような例外(『花の子ルンルン』など)も存在する。物語を盛り上げるために、主人公には「完成された魔女への成長」「人間界に隠されたアーティファクトの探索」「人間界で失踪した婚約者の捜索」等の、最終的な目標が課せられる。主人公には目標を達成するに際してのライバルや妨害者が与えられるが、美少女戦士系のような対立する悪の組織は存在しない。

主人公が魔法少女本人ではなく闖入魔法少女の秘密を知る親友などの一般人である、両藤子不二雄が得意とする巻き込まれコメディの要素を魔法少女物に加味した系統も若干例存在する(『魔女っ子チックル』『ウルトラマニアック』など)。この手法では男性を主人公に出来るため、正統派魔法少女作品より魔法少女フォーマットを流用した派生型作品に作例が多い(『おとぎストーリー 天使のしっぽ』『ああっ女神さまっ』『奥さまは魔法少女』など)。

余談だが、このジャンルの歴史は長く、その中で同様に魔法を使う小人や小動物の活躍する少女向け作品や少年向けにアレンジした魔法使いや魔神が活躍する派生作品がエブリディ・マジックのジャンルとして存在する。

魔法系[編集]

主人公が広範な魔法(平たく言えば「何でもあり」な魔法)を使用できる日常系魔法少女物。ただし、ストーリーを破綻させかねない魔法には、「強力な魔法を使うには修行が必要」「魔法を使うための魔法物質(マナ)の量は限定されている」「人間の心は魔法で操れない」「禁断の魔法は結果に大きな応報(術者が死ぬ、等)を伴う」などといった形で、何らかの制約が課される。

変身系[編集]

主人公の魔法の能力が、概ね「自分の姿を変身させる魔法」に限定される日常系魔法少女物。ただし、主人公は自分が変身した姿での個人的あるいは職業的な能力を有しており、場合によっては「何でもあり」な魔法を使える場合もある。変身の対象として特定の実在する個人を指定しなければならない系統と、変身の対象が「より高度な自分」である系統の、二種の系統が存在する。

サブジャンルとして、主人公の変身対象が「より高度な自分」の象徴である女性アイドルに限られる、アイドル変身系が含まれる。

ジョブ変身系
一定対象変身系
特定対象変身系
アイドル変身系

美少女戦士系[編集]

『セーラームーン』に代表される、スーパー戦隊シリーズなどの特撮作品に見られるバトルヒーローの要素を取り入れた魔法少女物。バトルヒロイン物変身ヒロイン物美少女戦士(戦隊)物とも呼称される。

主人公が単独あるいは2~5名のチームを組んで、平和を脅かす悪の組織や悪の存在(大抵は魔物や悪魔などの集団である)に立ち向かうのが主要なストーリー。主人公が戦闘を行う際には必ずコスチュームチェンジが行われる点で、変身の要素が取り込まれている(普段着のままで戦闘を行う美少女戦士系は、事実上皆無である)。コスチュームチェンジも魔法力によって行われるが、例外的に『カードキャプターさくら』は通常の(魔法による変身を行わないと言う意味だが、デザインは普通ではない)コスチュームを戦闘に際して着用している。また、「薔薇の花嫁」と呼ばれる魔女が天上ウテナを決闘者(デュエリスト)に変身させる『少女革命ウテナ』も広義にはこのジャンルに含まれると考えられる(この作品の「薔薇の花嫁」は「魔女」と言われ、百万本の恨みの刃を受けながら死ねず、それを力に変えて本物の魔女に成り果てた。数ある魔法少女の中でも最も哀しい存在といえる)。

彼女達は魔法少女よりは魔物を封印する巫女シャーマン)であるという見方もある。美少女戦士の多くは戦士性と巫女性を併せ持つが、物理戦闘力のないシャーマン専業の者、戦闘形態から退魔専用形態に多重変身する者など、巫女性を強く前面に押し出したタイプも存在する。

古典的な魔法少女物とスーパーヒロイン物(“女性版スーパー戦隊シリーズ”)の要素をミックスしたこのジャンルは、日本では純粋な意味での魔法少女物とは考えられない。 ぴえろ自身、「魔法少女シリーズ」と「東京ミュウミュウ」を別項目にしている[1]

このジャンルでの魔法少女は、異世界から魔法の能力を付与された人間である場合が多いが、前世による魔法の世界との宿命が暗示される場合もある。このジャンルでも主人公は、特定の地域に定住している場合がほとんどである。ほとんどの美少女戦士の戦闘は魔法によって行われるが、自らの手足を用いた格闘戦を中心とする『ふたりはプリキュア』のような作品もある。

戦士系
シャーマン系
複合系

封印系 (怪盗もの)[編集]

バトル魔法少女には元々封印魔法という側面があったのだが、この要素を強く意識しだしたのは、『美少女戦士セーラームーン』が戦闘の強化につれて魔法少女ものとして行き詰ったことによる。もっとも、『セーラームーン』のタキシード仮面は銀水晶を狙う怪盗であり、タキシードも怪盗の正装である。このジャンルの誕生も必然だったのかもしれない。古くからある怪盗物のなかでも、1983年、北条司原作の『キャッツ・アイ』が製作され女性怪盗の魅力が描かれ、少女漫画におけるその影響下の『怪盗セイント・テール』(主人公の使うのは魔法ではなくマジックだが)や『神風怪盗ジャンヌ』などをアニメ化した作品が放映された。魔法少女ものでも『カードキャプターさくら』(1998年放映)『Dr.リンにきいてみて!』(2001年放映)などにその影響がみられる。

異世界系[編集]

魔法の存在が人々に認知された異世界を舞台とした魔法少女物。多くの魔法少女のお約束を満たしていないので、狭義の意味での魔法少女に含まれない場合もある。主人公は俗世の人間で、活躍する舞台は異世界という『魔法騎士レイアース』『魔法少女隊アルス』のような珍しい設定も存在する。

このジャンルでも、異世界での魔法少女の日常を描いた日常系

と、異世界での魔法少女の闘争を描いた美少女戦士系

の二系統にジャンルが分かれている。前者の作品世界は魔法が一般化しているとはいってもその力はさほど強力なものではなく、また魔法の習熟には修練が必要とされるため、異世界とはいえ限りなく日常世界に近い。後者の場合、往々にして主人公は放浪者である。

魔法学園もの[編集]

赤ずきんチャチャ』の原作とアニメ後半はこのジャンルであったが当時は後継作品を残す事はなく、かなり後に「萌え」作品氾濫の中で魔法少女というジャンルが行き詰まった中から登場した。

18禁原作のもの、パロディものなどいろいろなものがあるが元々は『ハリー・ポッター』シリーズなどと同じく一つのジャンルとしてあったのではないだろうか。

ライバル魔法少女[編集]

主人公と対立する立場の魔法少女。日常系の場合は主人公と同じ目標を達成するために、あるいは主人公の目標達成を妨害するために現れる。ライバル魔法少女は主人公である魔法少女に対してストレートに敵意を抱いているケースがほとんどであるが、主人公側はしばしばライバル側を敵というよりお友達だと思っている。戦士系の場合は主人公と別の行動理念を持っていたり、主人公の親友が誰かに操られて襲ってきたりする。また最終的には和解して、共に新たな敵と戦う場合もある。

パロディ[編集]

定型化した魔法少女はよくパロディの対象となっている。主なものには、魔法の国の王女でありながらサブミッションで敵をつぶす『大魔法峠』の田中ぷにえや、『ぱにぽに』(及び同作スピンオフ作品の『新感覚癒し系魔法少女ベホイミちゃん』)の自称癒し系魔法少女のベホイミ、小学三年生の時に力を授かった筈が、敵の襲来が五年遅れてしまったせいで難しい年頃になってしまった『プラネットガーディアン』の如月古雪、男子なのにもかかわらず(女装してはいるが)魔法少女となった『魔女っ子戦隊 パステリオン』の裾野雪彦(パステルブルー)や『おと×まほ』の白姫彼方(魔法少女かなたん)などがある。また、『まほおつかいミミッチ』はアル中の元魔法少女の母親と幼い魔法少女の貧しい生活を描き、作品自体が魔法少女のお約束をひっくり返す形でパロディとなっている。


その他の魔法少女作品[編集]

上記以外の魔法少女と、登場作品の一覧。

漫画[編集]

アニメ[編集]

魔法少女アニメ及びCategory:魔法少女アニメを参照のこと。

特撮ドラマ[編集]

かつては、実写メディアにおいても作品が作られていたが、高い年齢層のお姉さん的な魔女が多い。また美少女戦士の登場(好き! すき!! 魔女先生のアンドロ仮面)と魔法少女のコスチュームチェンジ(透明ドリちゃん)はこのジャンルでは70年代に既に行われていた。アニメ作品がリメイクされるパターンも最近多い、その逆は「コメットさん」くらいである。余談だが「ミラクルガールズ」は当初なかよし編集部にドラマ企画として売り込まれていた。

小説・学習参考書[編集]

マスコット等[編集]

文具品[編集]

魔法のアイドルパステルユーミ』の不振によりスタジオぴえろによる魔法少女アニメの製作はその後打ち切られたが、セイカノートの塗り絵シリーズとしていくつかの魔法少女とその周辺の舞台設定を元にした文具シリーズが販売された。一部はOVAにもなっている。キャラクターデザインを当時現役のアニメデザイナーが担当したことで、一部の魔法少女アニメファンにのみひっそりと知られる。とはいえセイカノートの提供する別のアニメ枠でテレビコマーシャルが放映され、周辺キャラクターやファッションデザインの募集なども行うなど、本来の商品ターゲットである幼稚園女児と製作者の交流は一部あった。

ゲーム[編集]

成人向け作品(アダルトゲーム

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  1. () イベントレポート: ぴえろアニメワールド2003 (25周年) ぴえろ [ arch. ] (2006年8月9日にアクセス)

外部リンク[編集]

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